子供の声、騒音規制対象から排除する動き。東京都が都民から意見募集(1/13〆)

近年、主に幼稚園から聞こえる子供達の声などに対して、「うるさい!」「騒音だ!」「我慢できない」といった声が上がっています。兵庫県神戸市では保育園の前にドクロの絵が描かれたり、東京都国分寺市では園児を迎えに来た保護者に手斧を振りかざすなど、嫌がらせや脅迫といった事件も起きています。

子供の声は騒音なのか?

国が定める法律ではなく、各地方自治体が制定する条例により「騒音」「振動」「大気」「悪臭」に対しての規制が行われています。例えば、東京都のウェブサイトを見ると、工場や建設現場、深夜営業や拡声器(メガホンやマイク)を使ったPR活動などに対して、「40デジベル以下にしなさい」といった音量規制がなされている事がわかります。

そんな中、学校、保育所、病院、診療所、図書館及び老人ホームに対しても、50メートル区域内に対しての規制が行われています。これらは工場や商業施設に比べて、最大規制音量を5デジベルを減じた値が適応されています。

他の都道府県でも、それぞれの騒音規制が行われていますが、東京都の場合、保育園や幼稚園といった子供の施設に対しても規制が掛けられているのが現状です。

■関連リンク
→ 東京都:環境局 –  大気・騒音・振動・悪臭対策
(【追記】記事公開終了しました)

東京都、「子供の声等に関する規制の見直し」について意見募集

今年2014年12月22日、東京都環境局は『都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(平成12年東京都条例第215号。以下「環境確保条例」という。)における騒音規制のうち、子供の声等に関する規制について、次代の社会を担う子供一人ひとりの健やかな成長・育成にも配慮しつつ、苦情の解決に資する制度とするため、見直しを考えています』と発表しました。

東京都は、子供の騒音問題に対して規制をゆるめて行こう、という構えを示しました。

そこで、騒音規制見直しに対する意見を都民から広く一般募集を開始しました。都が用意した、意見提出シート(Excel、PDF)に記入の上、メールもしくはFAXで提出します。締め切りは2015年1月13日(火)までです。

■関連リンク
→ 東京都:「子供の声等に関する規制の見直し」について意見募集します
(【追記】記事公開終了しました)

問題点のまとめ

東京都の資料をみると、大きく以下のように問題点がまとめられています(環境確保条例における 子供の声等に関する規制の見直しについてより一部抜粋)。

  • 子供の声を巡る問題

苦情を受けて、保育所等では園庭活動を縮小する等の対策をとっている事例もある。また、子供の声等に対する苦情が保育所等を新たに設置する際の妨げとなっているという意見もある。

  • 子供の健やかな成長・育成への配慮の必要性

健やかに成長するという子供の権利は、可能な最大限の範囲において確保 されなければならず、児童福祉法(昭和 22 年法律第 164 号)では、「すべて 国民は、児童が心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならない」 と規定している。

  • 健康・生活環境の保全

子供の声によって騒音被害を受けている者の健康や生活環境を保全する ために真に必要な措置は講じなければならない。

周辺住民の環境と、子供達の健やかな育成。どうバランスを取るのか?

一見、「子供達の声がうるさいなんてけしからん!」とも思えるのですが、実際、静かに暮らしていた自宅の隣に保育園ができればどうでしょう?

子供達が遊ぶ声、歌う声、先生が弾くオルガンの音、など。朝から夕方まで、運動会さながらの音に悩まされるかも知れません。闘病中で家で寝たきり、夜勤のため睡眠時間は日中といった方にとっては、死活問題にもなり得るでしょう。

しかも、賃貸ではなく、土地と住宅を購入している方は、簡単に引っ越すことができず、かつ人に貸したり、売却したりする際には資産価値が低下している可能性もあります。

自分の生活や資産が脅かされるのであれば、反対するのも仕方ないとも言えるのではないでしょうか。

周辺へ暮らす方へ、補助金を投じてはどうだろ?

以下、私自身の案です。

保育園や幼稚園の周囲で暮らす人に対して、戸別に税金から補助金を投じてみてはどうでしょう。補助が出て多少安く住めるのであれば、率先してそこに暮らしたい人も出てくるでしょう。また、土地や家屋の資産価値が落ちても、保育園がある限り補助金が出るのであれば、納得してもらえる可能性も高まります。

お金で解決というのも安直なアイデアですが、効果のほどとしては一理あるのではないでしょうか。

ただし、これには問題点もあります。補助金を目当てに、悪意ある人が関わってくることです。その辺りのルールづくりには工夫が必要でしょう。理想をいえば、皆が育児に寛容になることですが、生活スタイルが昔に比べて人それぞれになっていますので、価値観を強要することはできません。期日までに良いアイデアをまとめ、東京都に意見を提出したいと思います。

皆さんはいかがでしょうか。

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