中学生のプロ棋士、藤井聡太・四段(14歳)への注目が凄いことになっていますね。
なかなかニュースを見れていない方のために、プロ棋士・藤井聡太さんがなぜ凄いのかを、まずは簡単にご説明します。
棋士(きし)とは、将棋指しを本職としている人のことです。その棋士の中でもプロ棋士になれるのは、年間4人までだと言われている超狭き門です。藤井聡太さんは、史上最年少「14歳2か月」でプロ棋士になりました。
それだけでも偉業です。
プロ棋士となった藤井聡太・四段は、その後の公式戦で一度も負けることなく、史上最高・前人未到の29連勝を成し遂げたのです。その連勝はまだ続いていて、次は7月2日に30連勝をかけた対局が予定されています。
なぜ、こんな天才少年が生まれたのか!?
メディアはこぞって、藤井聡太・四段(14歳)の強さの秘密を色んな角度から検証しています。
将棋の世界といえば、中高年の名人達が集まっているイメージがありますが、そこにまだ幼さが残る中学生が斬り込み、連戦連勝を重ねている訳です。「どう育てたらこんな天才になるのか!?」と、注目が集まるのは当然といえば当然です。
週刊女性に、藤井聡太さんを乳幼児期を振り返った興味深い記事が紹介されていました。
「1歳から電車に夢中になりました。見たいというから線路沿いの道に連れて行くと、帰ろうと言っても駄々をこねて動こうとしない。また、時刻表もよく読んでいましたね。そして、幼稚園に入るころには、いろいろな本を読むようになっていました」
1歳の頃から、自分が「やりたい!」と思うことは、とことんやりたがる気質だったようです。
祖母・清水育子さんは、「好きなことを好きなだけやらせる環境は整っていました。聡太は本当に好きなことをやってきただけなんですよ」と孫の幼少期を振り返る。
そんな子供の強いこだわりに対して、保護者も「好きなことを好きなだけさせてきた」とおっしゃっています。
……あれっ? これって、先日のNHK Eテレ「すくすく子育て」で、乳幼児期に育むべき大切な事と同じことを言っています。未就学児は、IQ(知能指数)を磨くより、遊びから粘り強く頑張る力などを育むことが大切だと言っていたのです。
たとえば、上手くできなかったときに「やめた」と投げ出すのではなく、「どうしたら上手くできるかな?」と、目標達成まで取り組むチカラのことです。
藤井聡太・四段はまさに、粘り強く遊び、親もとことんまで遊ばせていたのです。
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5手・10手と先を読む能力は、環境とキュプロという積み木で養われた
藤井聡太・四段の強さの秘訣は、通っていた幼稚園にもあるのではないかと週刊女性の同記事は伝えています。その幼稚園の特徴は「モンテッソーリ教育」を導入しているということ。モンテッソーリ教育とは、させる教育ではなく、子供達が自発的に持った興味を重視する教育方法です。
藤井聡太・四段は、家の中でも、幼稚園でも、やりたいことがとことんできる環境だったのです。
また、将棋に勝つためには、相手の出方を読む想像力も必要になります。
これは、藤井聡太・四段は3歳の頃に何度も遊んでいた「Cuboro(キュボロ)」という積み木にあるのではないかと言われています。Cuboroは、落とした玉がどう転がって行くか、その先の先をイメージする必要があるオモチャです。これが、将棋の5手・10手先を読む力を育んだのではないかということなのです。
■参考記事
将棋界の天才・藤井聡太四段が小学生のころに読んでいた本が衝撃的すぎる:週刊女性
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【余談】藤井聡太・四段、愛用のバリバリ財布
将棋で中学生の藤井くんが連勝で盛り上がってますけど、そんなことより藤井くんがバリバリ財布を使ってることに喜びと親近感を覚えた pic.twitter.com/ylYuGfFFhI
— みゆきー (@3yuki_wakabaya4) 2017年6月26日
将棋の対局は長時間に及ぶため、途中でお昼ごはんを食べることがあります。
藤井聡太・四段は、支払いのときにバリバリと音を鳴らすことで財布にまで注目が集まり、マジックテープ式の財布を使っていることが明らかになりました。「プロ棋士がバリバリって!」という意見がある反面、中学生らしくて好感が持てるという意見もあります。
ちなみに、藤井聡太・四段の財布は、このアディダスの二つ折りのマジックテープ式財布のようです。
幼児期の教育方法は、自主性へと変化してきている
不謹慎な表現かと思いますが、中学生が大人たちを次々とやっつけているというのは痛快ですね! 藤井聡太・四段と同世代の中学生達にとっては、その痛快な気持ちはもっと大きいと思います。夢のある快挙ですね!!
さて、最後にひと言。
幼児教育について、僕はわが子の子育てを始めるまで考えたことがなかったのですが、どうやら数年前とはトレンドが変わっているようです。少し前までは、早期教育・英才教育がもてはやされていましたよね。でも今は、子供の「やりたい」気持ちを育むことに注目が集まっています。
その背景には、脳科学や心理学などによる研究の成果があるのだと思います。
先日のNHK Eテレ「すくすく子育て」もそうですが、僕が数ヶ月前に読んだ脳医学者・瀧靖之氏の著書『「賢い子」に育てる究極のコツ』にも大きな衝撃を得ました。ここでは『好奇心』をキーワードに、子供の脳の発達に応じた教育(遊び)方法が書かれています。脳は年齢によって変化するので、それに合わせた刺激が大切だということです。
この本は、とても良い本で、また改めてご紹介したいと思いますが、興味がある方はぜひ読んで見てください。
子育ては焦らずに、子供の「やりたい」をしっかりと見守って行きたいですね。藤井聡太・四段のようにはなれなくても、粘り強さは近づけるかもしれません。