毎朝、NHK Eテレで放送中の幼児向け英語教育番組「えいごであそぼ」が、2017年4月3日(月曜日)にフルリニューアルしました。放送時間も、出演者も、番組構成も、すべて刷新されています。
まず放送時間ですが、これまでは「いないいないばあっ!」の後、8時40分からのオンエアでしたが、時間帯がググッと早まり、6時45分からになりました。
- 6時25分〜「テレビ体操(ラジオ体操)」
- 6時35分〜「にほんごであそぼ」
- 6時45分〜「えいごであそぼ with Orton」
- 6時55分〜「0655」
ラジオ体操で身体を目覚めさせてから、日本語、そして英語の勉強となります。そんな立派な幼児がいるのかな!?
また、番組のメイン司会者が厚切りジェイソンに代わっています。今、人気のお笑い外国人タレントですので、ファンの方も多いでしょう。IT企業の役員で、三女の父でもあるパワフルなアメリカ人。僕も好きな方です。
そんな新しくなった「えいごであそぼ」の初回放送を見ましたので、僕の感想を交えながら番組の内容をご紹介します。
NHK Eテレ「えいごであそぼ with Orton」
まず、番組タイトルに「with Orton(ウィズ・オートン)」と付きました。
てっきり厚切りジェイソンがオートンというキャラクター名で出演しているのかと思ったのですが、厚切りジェイソンの出演者名はDr. JASON(ジェイソン博士)。オートンではありませんでした。
オートンとはクジラの名前で、そのオートンの背中に建つ町「オートン・タウン」を舞台に、繰り広げられる番組だったのです。ちょっとわかりにくいですね。
えいごであそぼ with Orton 放送時間
NHK Eテレ(教育)
月~金曜日 午前 6時45分~6時55分(10分)
再放送
月~金曜日 午後 5時10分~5時20分(10分)
<主な出演者>
- Dr. JASON(ジェイソン博士) – メイン司会者 / 厚切りジェイソン
Jason David Danielson / 1986年4月9日生まれ / ワタナベエンターテインメント - AIRU(あいる) – ジェイソン博士助手
岡田藍琉 / 2009年9月8日生まれ / Sugar & Spice - YUUKI(ゆうき) – オートンタウンに引っ越して来たばかりの兄弟
山口祐輝 / 2009年11月26日生まれ / AMUSE - KIRARI(きらり)– ゆうきの妹
村山輝星 / 2010年4月8日生まれ / 劇団東俳 - たなかりえ先生 – エクササイズの先生。体操しながら英語を覚えます。
田中理恵 / 1987年6月11日生まれ / 日本体育大学、commons2 - KARLEE(カーリー) – 日本が大好きな女の子。視聴者からお手紙をもらってジャパンカルチャーに挑戦します。
- KEITH(キース) – NYパフォーマンスグループ「STOMP」出身のプロ。ダンス、ボディ・リズムパーカッションをこなすパフォーマー。
この他にも、アニメキャラクターのあおやん、PEACHY、Tabbyなどが出演します。
ジェイソン博士の実験室で、実験・ゲームコーナー
ジェイソン博士は、英語の発音が上手くなるためのマシンを開発しています。初回は「Fish」の発音が上手くできたら魚が釣れるゲームにチャレンジします。
ジェイソン博士「英語で魚は何と言うかな?」
ゆうき・きらり「フィッシュ」
ジェイソン博士「惜しい! フ、フ、フィッシュ。日本語の『ふ』ではなく、上の歯と下の唇を付けて言うんだ」
あおやん・PEACHYのおもしろコント
大阪弁しか話せない「あおやん」と、バイリンガルの「PEACHY」によるCGアニメーションです。こちらも初回はFishをテーマに、ふたり(二匹?)のコントが繰り広げられます。
ここでも、フィッシュの発音練習です。あおやんは魚を釣ることができるのでしょうか?
PEACHY「何やってるんですか?」
あおやん「釣りや、釣り。魚を釣ってんねや」
PEACHY「Oh,Fish ですね」
あおやん「そうや。ふぃっしゅや、ふぃっしゅ」
PEACHY「それじゃぁ釣れませんねえ」
あおやん「なんでや?」
ORTON’S EXERCISE CLUB
歌のお姉さん、たなかりえ先生が登場します。ここでは子供達と一緒にエクササイズをしながら英語の発音を練習します。
KARLEE「ふぃ、ふぃ、ふぃ、ふぃ、フィッシュ。Swim、Swim、Swim。泳ぐよ〜」
今回の発音テーマのFishを始め、Snake、Eggなども一緒に練習です。オートン博士の釣りゲームや、あおやん・PEACHYのおもしろコントで練習した発音を、身体を動かしながら使ってみるコーナーです。
*視聴者からの参加応募を受け付けています(幼稚園、保育園ほか、グループ参加もOK)。
DEAR KARLEE
日本が大好きな歌のお姉さん、KARLEE(カーリー)が登場します。視聴者からの「Karleeとやってみたい」というお手紙を元に、KARLEEと視聴者が一緒に遊ぶ、交流コーナーです。
初回は、そうたくん親子から「お手玉で一緒に遊ぼう」と手紙をもらい、KARLEEがそうたくんに教えてもらいます。ちなみに、お母さんも一緒に出演するので、親の英語力も試されるコーナーとなっています。
Hi, Tabby!
Orton Townを旅するTabbyが登場するアニメ。初回では、「fちゃん」に森へ誘われ、冒険をしながら、Flowers、Frog、Sock、Snake、elephantなどの単語を学びまました。
ジェイソン博士の実験室で、クイズタイム
再びオートン博士の実験室戻って、今度はクイズです。似たような発音なので、意外と難しいかも!?
ジェイソン博士「このクジラのうちのどれかが、こう言うよ。fish! どれがFishというか当ててね」
日本語の割合が増え、幼児向けから小学校低学年向けになった印象
これまでの「えいごであそぼ」のメイン司会者、エリックとキコは英語で話しながら、番組を進行していました。また番組内容は、歌や絵本の読み聞かせなど、幼児に向けた英語に慣れるための構成といった印象です。
しかし、リニューアル後のメインの司会をつとめる厚切りジェイソンは、日本語で話します。日本語が話せる英語の先生、といったイメージです。
これまでは、幼稚園・保育園児といった未就学児を対象としていた印象ですが、新しくなった「えいごであそぼ with Orton」は、小学校低学年向けの勉強と、少々対象年齢を上げたように感じます。
おそらくこれは、2020年からの小学校での英語教育改革に合わせたのではないでしょうか。
2020年、小学3年生から英語の授業がはじまる
僕たち親世代は、中学校から英語の勉強を始めました。しかし、今の子供達は小学校5年生から英語の授業が行われています。これは中学生になる前に、英語に慣れておこうという取り組みです。
しかし、それでも日本人はなかなか英語が話せません。
そこで、2020年から小学3年生から英語教育が行われるように決まりました。小学3年生・4年生は、英語に馴れ親しむ期間。小学5年生・6年生は英語を「教科」として学ぶようになります。教科ということはテストもありますし、採点もされ、通知表でも評価されます。
英語の学習は、小学3年生(8歳)から義務教育として行われるようになるのです。そのため、「えいごであそぼ with Orton」の番組内容や放送時間を変更したのではないか、と思われます。
「えいごであそぼ with Orton」は、英語初心者の大人にとっても学びやすい番組だと思います。ぜひ、親子で楽しんでみてはいかがでしょうか。フィッシュじゃなくて、上の歯と下の唇を付けてFishで!