NHK朝ドラ『虎に翼』をみていて、子どもに決断させることにデメリットがあることに気づきました。
子どもの自己決定力を育んだり自信をつけさせたりするために、子どもに決めさせるメリットはあります。ただし、なんでも「あなたが決めなさい」とやってしまってしまうと、そこには大きな危険性が潜んでいるのです。
【虎に翼】そんな決断、優未にさせないで!
以下、極力ドラマのネタバレにならないよう注意しながら説明しますが、若干のネタバレを含みますのでご注意ください。
2024年7月11日放送、第15週(74)「女房は山の神百石の位?」で、主役のトラちゃんこと佐田寅子が家族会議を開く場面がありました。
その中で、寅子の娘の優未のこれからの人生に関して、子ども達が口を揃えてこのように意見をします。
道男「よし、優未に決めてもらおう」
直人「そうだ、優未はどうしたい?」
直治「トラちゃんじゃなくて、優未が決めるべきだよ」
しかし、家庭を切り盛りする花江は一喝!
花江「おやめさない! そんな決断、優未にさせないで」「この決断の責任は、トラちゃんが負うべきよ」
大事なことを、子どもに決めさせてはいけない理由
優未は、この時点ではおそらく小学1年生頃だと思います。ドラマの中で学校の試験問題が出てきて、それがすべて平仮名だったので、6歳前後でしょう。
そんな幼い優未に対して、重大な決断を迫ってはいけないと、伯母にあたる花江は叱ったのです。その理由は、決断させるということは、その人に責任を負わせることになるからです。
花江は、優未の母親である寅子に「この決断の責任は、トラちゃんが負うべきよ」と言いました。
この展開に、僕はハッとさせられました。自分の子育てにおいて、わが子に対して「自分で決めたんだから、ちゃんとやりなさい!」と叱ることがあるからです。
それが日常的な些細なことであれば問題ありません。しかしその後の人生を左右するような重大なことに関しては、子どもだけに決めさせなてはいけないな、と。極端な例ではありますが、たとえば両親が離婚することになって、「お前はお父さんとお母さん、どっちと暮らしたいんだ」と、子どもに決断を迫ってはいけないということです。
「子どもに責任を負わせてはいけない」
それを踏まえて、子どもに決めさせる・決断させるを考慮しないといけませんね。NHK朝ドラ『虎に翼』をみながら、改めて気づかされました。
子どもに決めさせるメリット・デメリット
最後に、子どもに決めさせる・決断させることに対してのメリットとデメリットを思いつつままにまとめました。
子どもに決めさせるメリット
- 自分で判断し、自分で決めることで、自己決定力が向上する
- 意思決定にいたるプロセスを経ることで、意思決定のスキルが向上する
- 自分の行動に対しての責任感が増す
- 自分で決めたことで成功すれば自信につながり、失敗してもそこから学ぶことができる
- 決断したことを他人に伝えることで、コミュニケーション能力が向上する
子どもに決めさせるデメリット
- 重大な決断を迫られることで追いつめられ、過度のプレッシャーやストレスを感じてしまう
- 子どもは経験値が浅いため、決断の質が低くなり、よくない方向へ進んでしまう恐れがある
- 自分の意見や要求ばかり重視し、自己中心的な思考や行動をとってしまう恐れがある
- 子が親に不信感を抱き、親子関係に摩擦が生じる恐れがある
子どもに決断させるのは大事だけれど……
子どもに決めさせることに関して、様々なメリット・デメリットがあります。メリットばかりを重視していると、子どもは重圧を感じて、心に大きな負担を覚えてしまうリスクがあります。
子どもが成長する過程において決断を経験させることは大事です。ただし、小さな決断から徐々に慣らしていき、重要なことに関しては大人がしっかりとサポートする必要があると言えそうです。