8歳の息子が通う東京都世田谷区の公立小学校で、PTA副会長を2年続けて務めることになりました。後述しますが「どうせやるなら前向きに頑張ろう」という想いです。
さて今回お伝えしたいのは、小学校PTAで本部役員がなかなか決まらない理由。
役員決めって、本当に大変! 『長』がつかない役はスムーズに決まったのですが、年間を通じて役割がある役職、特に本部役員(会長・副会長など)の成り手探しは苦労しました。
同様の問題を抱えたPTAさんのヒントになれば、と思い書きました。
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PTA副会長1年目を終えた感想記事はこちら。
PTAの役員決めって大変! 会長・副会長が決まらない
PTAは、子ども同士がたまたま同じ学校になった保護者が集う組織です。
年齢も、趣味も、職種も、家庭環境も、子育てに対する考え方も、人生の価値観も、何かもが違います。特に都心では地方出身者が多いため、初対面の方も多いです(僕も大阪出身・東京在住のよそ者)。
加えて、PTAの役員・委員は毎年変わります。
そんな環境において、スムーズに選出できるはずがないのです。
僕が所属するPTAでは、選考委員さんが数か月間にわたって大奮闘してくださいました。公募、集計、候補者への声掛け……など。PTAを熟知しているベテランさんの手腕を持ってしても、一筋縄には行かなかったのです。
記事冒頭に書いたとおり、会長・副会長・委員長・部長などの『長』がつかない役はすぐに決まりました。でも、会長・副会長などの本部役員は、なかなか決まりません。
あまりにも決まらなさすぎて、「会長無し」の案も出たほどです。
くじ引き・抽選は避けたい
次年度のPTA役員・委員を決めるのにかかった期間は、およそ半年間。
PTA本部を中心に各委員長を交えての打ち合わせが1〜2か月間。そして、選考委員さん主導の公募から総会での承認までが4か月間。長かった……。
終盤戦では、「どうしても決まらない役職についてどうするか?」の議論が何度も行われました。
うちのPTAはポイント制を導入しています。「6年の間に、各ご家庭◯ポイントを目安にPTA活動に参加しましょう」とアナウンスしています。
ポイント制の賛否両論はさておき、せっかくあるポイント制度なのでそれを活用しようと考えるのは自然の流れです。
ただ、抽選案は見送りました。
これまで委員・役員をしてこなかった方は、やむを得ない事情を抱えていたり、PTA活動に参加意欲が低かったりする方。そんな方が抽選で会長や委員長などに選ばれたのち、快く引き受けてくれ、リーダーシップを発揮して積極的に動いてくださるとは考えづらいからです。
いずれにせよ、PTA会長や委員長などのトップをくじで決めるのはモヤモヤします。そもそもPTAは任意団体のボランティア。もし抽選するにしても、相手の事情や気持ちを配慮して「ご相談させていただく」までに留めておきたい、と個人的には考えています。
来年度以降はくじ引きなどの抽選を実施する可能性が無いとは限りませんが、本年度に関してはやめておこうということになりました。
余談ですが、抽選を実施する際は、公募前に丁寧に案内しておくとスムーズかもしれませんね。
【おまけ】くじ引きでPTA会長を選んだらどうなるのか
「PTA会長をくじ引きで選んだらどうなるのでしょうか?」
近藤くみこさんと江上敬子さんによるお笑いコンビ『ニッチェ』によるコントなのですが、PTAを題材にしていて面白いのでシェアします。
会長・副会長など、本部役員が決まらない理由
以下、僕が思う「本部役員が決まらない」理由をザッと書き出します。副会長としての1年間の経験と、他校PTAとの交流などを経て、僕自身が感じたことです。
1. 時間が捻出できない
夫婦共働きであったり、受験生のお子さんがいたり、乳幼児の育児中であったり、さまざまな家庭の事情によってPTA活動に時間を割く余裕がない場合があります。
2. 知識・経験が浅いので、務まるとは思えない
PTAにはさまざまな委員があったり、郊外の活動があったりするので、全部を把握しているPTA会員は稀。そのため、たとえ本部役員になったとしてもみんなで助け合えば良いのですが、知識・経験が浅いと不安に感じるのは当然のことです。
3. 役割や責任が不明瞭
ある特定の係であれば、何をするかを事前に明確にすることは可能です。たとえば、広報委員であれば「年に3回、広報誌を発行する」など。しかし、PTA本部役員は役割が多く、ひとつひとつ具体的にあげていくのが困難です。また、責任を負うことへの不安を覚えることもあるでしょう。役割や責任が不明瞭な場合、会長などの本部役員を引き受けられない場合があります。
4. 誰と一緒に活動することになるのかわからないので不安
元々仲の良いママ友・パパ友と一緒に活動できるなら良いのですが、そうなるとは限りません。「仲良くなれるかな?」「嫌われたらどうしよう」など、不安になる場合があります。
5. ものごとの決裁が苦手
PTAに限らず、組織のリーダーは「決める」のが主な仕事といっても過言ではないでしょう。組織をどう動かしていくのか、校長先生やPTA会員からの相談に対してどう返答するのか。そうした決裁が苦手な方は、引き受けようとは思わないでしょう。
6. 会長になると、周囲から評価されそうで怖い
これもPTAに限らず、組織のリーダーになると周囲から注目されます。国の首相や大統領は注目されますし、学校の校長先生も注目されます。もし、あなたが勤めている会社の社長が変わったら「どれだけの実力があるんだ?」と、気になるでしょう。注目されるというのは、周囲から評価されるということ。リーダーは、メンタル的な強さも求められるので、会長を引き受けるのは勇気がいることです。
7. 一度役員をすると抜け出せなくなってしまう
誰も成り手がいないと、どうしても「もう一年お願いできませんか?」という話になります。後任へバトンタッチできずに「私の任期は終えたから、あとはご自由に。じゃぁね!」とは、なかなか行かないのです。「PTAの本部役員は沼」という言葉もあるそうです。
PTA副会長、2年目への想い
ということで、いろいろあって僕は、PTA副会長を来年度も務めることになりました。
1年目は、暗中模索。
何をすれば良いのかわからず、飛び交う用語の意味を知らず、知り合いもほとんどおらず……。「どうすればいいの?」「僕が判断してもいいの?」など、不安を感じることが多かったです。
2年目は、心に余裕があります。
PTAとはどんな組織で、どのような活動があり、何をしないといけないかがおおよそ把握できたからです。そして何より大きいのは、知り合いが爆増したこと! 相談したり頼ったりできる仲間が大勢できました。ありがたいですね。
次の任期では、「どうせやるなら前向きに。心にちょっと余裕もあるので、次年度はより楽しみたいな」と思っています。
困ったときは近隣校のアイデアを参考にしてみよう!
最後に、煮詰まった時の解決法をひとつ。
僕自身、PTA活動に参加しながら、近隣の小学校PTAさんと交流する機会が何度もありました。近隣校と合同イベントを企画・実施したり、近隣校のPTAが集まって意見交換をする「ブロック交流会」に参加したし……。
その際、「〇〇小学校さんのPTAはどうですか?」と、意見を交わしました。
そこで、自分が所属するPTAでは当たり前だと思っていたことが他校では全然違う運営方法をしていることを知り、驚かされることがありました。自校のPTA会員だけで議論していても到達しないであろうアイデアに触れることができたのです。
煮詰まったときは、他校のPTAさんに相談するのも手です。
ほとんどの場合、好意的に相談に乗ってくれると思います。また、PTAで改革を行う際、「お隣の〇〇小学校ではこんな運営をしています」と説明に添えると、説得力を増すこともできるでしょう。
今回の記事は以上です。本サイト「パパやる」では、PTA関連の記事もいろいろ書きましたので、ぜひ合わせて読んでみてください。また、Twitter (@papayaru) もやっていますので、フォローいただけたら嬉しいです。