子どもの成長記録は多種多様。
ママ・パパのスマホには、思い思いたくさんの写真や動画が納められていると思います。
さて今回は、とても珍しい個展(写真展)へ行ってきましたので、その様子をレポートします。
フォトグラファーはシッターさん。シッターさん目線で、ひとりの1歳男児の4か月間を記録した写真展です。
浅川七緒美さん、職業シッター
まずは個展の主催者さんをご紹介。
■お名前
浅川七緒美さん(37歳)
■職業
子どもだけでなく、親御さんの気持ちも預かるシッター
見える保育を目指し、たくさんの記録を残し、
成長や様子を伝え、預けている間の不安や寂しさを
少しでも減らせるようにしている。
そんななか、1歳の男の子を4ヶ月間、毎週水曜日1日預る、
仕事が入った。
ちょうどハイハイから、歩き始めるという時期。
毎週、毎週違った成長を見せてくれた。
子育て真っ最中の方も、
子どもたちが巣立っていった方も、
それぞれ何か感じてくれたら嬉しいです。
コミュニティカフェ「ななつのこ」より引用
個展「日々、成長期」インタビュー
それでは、作品を拝見しながら、個展を開催したシッターの浅川七緒美さんにいろいろとお話をうかがいました。その様子をお伝えします。
開催の経緯について
ふだんは、1日だけのスポットだったり、不定期だったりで、お子さまをお預かりしています。でも、今回撮影させていただいた1歳の男の子は「4か月間、毎週水曜日の9時から17時」という条件で、シッターのご依頼をいただきました。
育休中のお母さんが仕事復帰に向けて、慣らしのために週1で仕事を再開。その間のシッターです。
最初は個展をするつもりは無かったのですが、3か月を過ぎたころから、「みんなに見てもらえたらいいな」「何かを感じてくれたらいいな」と、ぼんやりと考えるようになりました。
そして、最終日を迎えた日に「個展を開きたい」と、お母さんにお伝えしたのです。いいねと賛同いただき、今回の個展開催にいたりました。
たくさんの写真を撮っていたのは、なぜ?
大切なわが子を、ベビーシッターや保育園などに預けたとき、その様子のすべてはわからないですよね。それを無くしたいと思いました。
だから、お子さんを預かっている間は「写真」や「動画」をたくさん撮影。加えて、親御さんには「その日のエピソード」も添えて、しっかりとお伝えしています。
見える保育
痒いところに手が届く保育
親の想いを大切にする保育子どもを常に真ん中にを大事にしながら保育しています。
浅川七緒美さんは、「見える保育」を心がけているそうです。
準備の苦労について
まず、会場探しが大変でした。広いスペースで長い期間できる場所が確保したかったんです。ここ(コミュニティカフェ ななつのこ)は、大きな壁一面に展示することができ、さらに開催期間が3週間もえられました。
あと、実は写真はもっとたくさんあるのですが、そこからの厳選もじっくりと時間をかけました。
そして、写真をコンビニのカラーコピー機をつかって出力し、手作業で台紙に貼り付けていきました。スプレー糊を使って、毎日、毎日……。何日もかかりましたね。
開催した理由
えっ、理由ですか?
うーん、考えたことは無かった(笑)
「自分の大切にしていることをカタチにしたかった」という想いはありますが、それよりも「今だ!」と感じたからです。
私は今年、小学校のPTAで副会長をしています。PTAに参加したり、あとPTAのバレー部にも入ったり、いろいろとしていくなかで、自分自身に自信がついたのだと思います。「次は個展にもチャレンジしてみよう!」と。
込めた想いは?
誰もが、いつでも、成長期かな、と。
今回は、ハイハイからつかまり立ちをするようになる成長期でしたが、これは何歳であってもそうだと考えています。
大人になると結果を求めがちですが、結果はでなくてもいいんです。それよりも試行錯誤の姿が大事。もっと言うなら「何もしない」「何かを辞める」と決めて、それに取り組むのだっていいんです。
何歳であっても重ねて行ける、日々成長期です。
はい、そうです。
大人にとっての1段は片足を出すだけですが、1歳児にユーザー一覧とっては全身をつかって挑む1段なんです。
何を伝えたい?
見る人にとって、湧き出てくる想いはさまざまだと思います。「それぞれ何か感じてもらえたらいいな」と願っています。
大人だって、日々成長期!
素晴らしい個展でした。
シッター目線で赤ちゃんから幼児へと成長する過程をとらえ、それを多くの方へ届けるという企画。きっと、それぞれ感じたことは違うのでしょうね。
子どもだけでなく、大人も日々成長。毎日毎日が積み重ねなので、一日一日を大切にしないといけないな、と感じました。
それは自分だけでなく、他の方もみんな同じ。
他人の人生も大切。
自分の人生も大切。
人は皆、「日々、成長期」なのですね。
とても優しい気持ちになれる個展でした。帰宅してからも心にジーンと残っています。浅川七緒美さん、ありがとうございました!