僕は小学2年生の息子がいる父親です。息子が通う小学校で僕は、PTAに副会長として参加しています。
PTAはボランティア活動です。
僕自身、PTAに関する経験・知見が乏しいので、まずは関連書籍を読み漁ったり、ネットでいろいろな意見を見てみたり、他校でPTA役員・委員をされた方に話をうかがったりしています。そんな中、PTAを忌避する保護者さんが結構いることを知りました。ボランティアといっても、わが子が日々関わる学校のことなのに……。
もちろんPTAには旧態依然とした体質があり、現代社会にそくわない一面もあると思います。家庭に事情を抱える方も参加しやすかったり、むしろ困っている方達をサポートする機能も必要でしょう。こちらは要改革ですね。
ただ、これからわが子に教育をさせて行こうという段階において、学校や他の子ども達のために活動している親の姿勢を子どもに見せるのは良いことだと思うのです。イベントを開催したり、挨拶運動や防犯パトロールをしたり。PTAの古臭い体制にも問題はあると思いますが、ひとまとめに「PTA=不要」と一蹴するのは寂しく感じます。
さて、そんなモヤモヤを感じていた折、社会派ブロガー・ちきりんさんのVoicyの番組で「アメリカのボランティア事情」についての話を聞き、ハッとさせられました。
アメリカを含む欧米では、社会問題に対する意識が高いそうです。たしかに、女性の社会進出も、SDGsも、LGBTも、日本から巻き起こった課題ではありませんよね。
実はその背景には、欧米では子どもの頃からみんなが続けているボランティア活動があるそうです。
今回は、「ボランティアって実は結構大切なのかも知れないぞ!」というお話です。
アメリカ人学生のボランティア事情
ちきりんさんは、20代の頃にアメリカの大学へ留学していました。今から30年ほど前のことです。そのとき「アメリカ人は弱者に対して手を差し伸べる度合いが高い」と感じたそうです。
そんなエピソードが、音声配信アプリ「Voicy」内の番組で語られていました。
アメリカでの学生生活では、とにかくボランティアが充実していたとのこと。
障害のある人も一人暮らしをしていて、学生達みんなで割り振りながら彼らをサポート。一緒に授業を受けたり、一緒に買い物に出かけたり、フットボールを一緒に見に行ったり。アメフトや野球などスポーツ競技場でも、車椅子の方向けの席がめちゃくちゃいい場所に用意されいたそうです。
最近の話ではないですよ。ちきちんさんがアメリカ留学をされていた30年前でそのそうな状況だったのです。
ちきりんさんのVoicyより、学生ボランティアに関するエピソードを少しご紹介します。
アメリカでは、入試や就活でボランティア実績が必要
日本では、お勉強さえできれば東大でも京大でも入ることができますよね。
しかしアメリカでは、一流大学に入るにも、いい会社にも入るにも、「どんなボランティアををやってきたのか? そこで何を学んだのか?」を必ず聞かれるそうです。
アメリカのハーバード大学やスタンフォード大学に入学したいとき、「中学生・高校生の頃にボランティアは全然やっていません」では入れない。入学願書にはボランティアの活動実績を書く欄があり、面接では具体的に質問される。
アメリカの若者は、受験勉強の一環としてボランティアをやっているそうです。
これは大学入試に合格してからも続きます。なぜなら、就職活動の際もボランティア活動実績について問われるからです。つまり「良き市民なのか? お前は」と、聞かれているわけです。
そんなこともあり、アメリカの若者達は週に1時間くらいは誰かのボランティアをしています。
ボランティアをするメリット
ボランティア活動は、入学試験や就職活動で役立つだけには留まりません。
ボランティアをすることによって、障害のある人がどんなことに困っているのか、そういう方達がどういう理由でそうなったのか、今どんな感じでひとりで頑張っているのかなど、学べることがたくさんある。
最初は受験や就職のために始めたボランティアだけど、のちに「これは自分の生活を豊かにする活動なんだ」とわかるようになるそうです。それが、多様性を受け入れる社会をつくることの意義の理解につながっていく。
そう、とても良いシステム。
アメリカだけでなく、おそらくヨーロッパも同じだと思いますが、欧米でボランティアを体験したことがない人はおそらく居ない。しかも体験したことがあるレベルではなく、実際にはものすごいいろいろなボランティアを経験している。
みんな1年に1回は何かしらに参加する。夏休みや春休みなどを利用して。
そこで、障がい者の方への支援、高齢者の方への支援、エイズの方への支援、貧困の方への支援、他にも環境・美化に取り組んだなど、多彩なボランティアや社会活動をしている。
だから社会問題に対して、すごく意識が高くなる。
日本の大学入試は学力のみ、ボランティアは不要
一方で日本のエリート達はボランティア活動を一切しなくても、東大などに入学でき、司法試験に通り、医者にもなれる。
日本でも、東大、京大、早稲田、慶應などがそんな入学試験にすれば、日本でも社会問題に対する知見や感度が違ってくるだろう。
ちなみにアメリカのボランティア事情は、30年も前のこと。今はもっと進んでいると思う。
まずはPTAや町内活動からでも
以上、Voicy内でちきりんさんがそんなお話をされていました。
ボランティアは、近視眼的にみれば「時間や労働力の提供」だと言えます。しかし、みんながその経験をすることで、社会が良くなるよう循環させることができるのです。
「自分たち家族が良ければそれで良い」
「他人のために時間を割きたく無い」
それでは社会問題は解決されません。コスパ重視の世の中ですが、PTAだったり、地元の町内会であったり、まずは身近なところからでもボランティアに参加してはどうかなと感じました。それが巡り巡って、自分の将来や、子ども達の未来を良くすることにもつながってくるのですから。
ちきりんさんの新刊で最後の本。https://t.co/Ixe74ixyV4
仕事の合間に読んでいるんだけど、面白くて読み終わりたくないほど。あと少しで終わってしまう。惜しいのであえて少しずつ……。
仕事、子育て、SNS、人生など、いろいろなヒントがあります。
自分の意見で生きていこう(ダイヤモンド社) pic.twitter.com/I6ipc5rKe6
— 北野 啓太郎@フリーランスWEBコンテンツクリエイター (@KeitaroKitano) January 23, 2022
パパやる関連記事