先日、東京都の認可保育園の落選(不承諾)となったものの、途中入園で無事認可保育園に入れた、と言う方のお話をうかがいました。
*当然ながら、全員が以下の事例のように途中入園できる訳ではありません。ご注意下さい。
認可保育園の入園申し込みは、6ヶ月間有効。
認可保育園の入園は、新年度を迎える4月だけとは限りません。
本来、必要な家庭はいつでも入れるのですが、東京など都心部の認可保育園は定員数より申込者の方が多いため、ほとんどが待機児童となっています。
ところで、なぜ待機児童と呼ばれるのかご存知ですか?
認可保育園は、ほぼ毎月入園選考が行われています。入園申し込みをおこない、合格・不合格(承諾・不承諾)の一回きりでは終わらないのです。東京都のいくつかの区の認可保育園の「申込書の有効期限」を調べたところ、いずれも6ヶ月間となっていました(日本中を調べた訳ではありませんので、皆さんお住まいの市区町村の保育園申し込み要項をご確認ください)。
申し込みをして、最初の入園選考で落選した場合、「保育園入園待機通知書」という通知が役所から届きます。わが家にその通知が届いたときは、以下のようなことが書かれていました。
〇〇様の保育園入園につきましては、保育園の定員の関係のため、保育園入園がかなわずお待ちいただくことになりました。あなた様の申し込みについては、平成〇〇年〇月末日まで選考を行います。この期間中に保育園入園が内定したときは、ご連絡いたします。
そうです。「入園がかなわずお待ちいだだく」「平成〇〇年〇月末日まで選考を行う」と書いてあるように、有効期限内は毎月入園選考の対象となるのです。
この定員の空きを待っている状況があるため、待機児童と呼ぶわけです。
待機児童と言っても、家で待機するわけではなく、認可外などへ預ける。
認可保育園の定員に、もっとも多くの空きが出る時期は年度が変わる4月です。もしくは、年度途中で新設の保育園が開園するときです。そのため、大抵の方は「4月入園」に狙いを定めるでしょう。
4月入園の締め切りは、前年の11月〜12月頃。ということは、申込書の有効期限は6ヶ月ですので、半年後の5月〜6月分の選考まで有効となります。
この有効期限が切れるタイミングで、再申請しない方が、割といらっしゃるそうなのです。
保育園に頼る家庭のほとんどは、夫婦共働きなどで自宅での育児が困難な家庭。4月入園に落選したからといって、「しょうがないから自宅で子育てするか」と、のんきに言っていられないですよね。そこで、認可外保育園や認証保育園(東京都のみ)へ、4月から子どもを預けることになります。
そうやって、新たな日常がはじまることで、有効期限のことを忘れてしまう……という訳です。
月収よりも保育園代の方が高い……。けど、指数アップで途中入園の承認通知!
4月入園度選考の申し込み有効期限が切れるのは、春〜初夏にかけて。ここで認可保育園の申し込みを、忘れずに再びおこなうようにしましょう。年度途中で退園・転園などで定員に空きがでない限り、内定の声はかかりませんが、可能性はゼロではありません。
冒頭に書いた途中入園できた方は、認可外保育園を利用しながら、指数アップのための活動を行いました。理由はお聞きしていませんが、仕事を辞め、改めてアルバイトを探し、のちに職場からアルバイトでの評価を得て、正社員に昇格。見事、フルタイム勤務となりました(*1)。
*1. 世田谷区の場合、「週5日以上勤務し、かつ、週40時間以上の就労を常態」で、指数50点が得られます。
ここも忘れずに、要チェックポイント。
認可保育園の申し込み後であっても、指数アップにつながる変化があれば、改めてそれを役所に伝えることができます。例えば、申し込み時は指数100点であっても、勤務時間が変わるなどを申告することで途中から110点などにアップ可能ということです。
その方は、フルタイム勤務、認可外保育園に預けているなどの実績を示すことで、指数が大幅にあがり、空きが出たタイミングで途中入園の合格通知をもらえた、ということです。
当時のようすを詳しく聞くと、最初のアルバイト期間は月収より毎月の保育園代の方が高く、『働いても、働いても、赤字』という状況だったそうです。「来年度の4月に合格をもらいたい! それまでは赤字でも仕方がない」と考えていたそうですが、幸いにも途中入園の声がかかりました。
そんな話を伺いながら「子育てする親は強し!」という気概が、ビシビシと伝わってきました。
冒頭でも書きましたが、これはすべての方に当てはまる訳ではありません。しかし可能性はゼロではありませんので、「やっぱり認可保育園に入りたい。必要だ!」という方は、有効期限を確認して、忘れずに再申し込みをしておくようにしてください。
しかし厳しい時代ですね。働きながら、育児をして、家事をして、保活をして……。もっと負担なく赤ちゃん誕生を迎えられる社会になれば、と願うばかりです。