3歳の息子を、花火で火傷させてしまいました。
先日夜、家の玄関先で手持ちの花火をしていたところ、息子が突然「痛い!」と花火をパッと手から離しました。そのとき僕は、「少し火に触れちゃったのかな」と思い、氷水を入れた手桶で持ってきて、手を冷やしながら、その後15分ほど残りの花火をやりきってしまったのです。
初動ミス。暗闇で火傷の程度をしっかり確認していないかった
火傷をした花火は、線香花火のようなパチパチと火花が散る、手持ちの長いタイプのよくある花火です。このタイプの花火は、火薬部分と火薬がついていない棒の部分の境目が、暗闇ではパッと見ではわかりません。どうもその火薬部分、もしくは火薬に近いところを持たせてしまったようです。
それをしっかりと確認せずに息子に持たせてしまったのは、僕の過ちです。大反省しています。
さらに悪いことに、息子の手を見たときに大したことがないように感じて、嫁さんに「ちょっと氷水持ってくるから見てて」と行って、家の中からお風呂で使っている手桶に水と氷を入れて持ってきました。
しかし息子の火傷は軽傷ではなかったのです。
息子は火傷直後、花火に気を取られていたからか、それほど痛がっていませんでした。しかし火傷からおよそ15分後、とても痛がり始めたのです。
家の中で、改めて患部をしっかりと冷やし続けました。本来であれば、すぐに花火を中断し、しっかりと明るいところで患部を確認し、応急処置に注力すべきだったのです。
その夜は市販薬を塗り、バンドエイドを貼り、翌朝を待ることにしました。
公益社団法人日本小児科学会のウェブサイト「こどもの救急」によると、火傷の応急処置などにについて、以下のように書かれています。
■起こってしまったときは?
- よく冷やしてあげることが最も大切です! 痛みがなくなるまで冷やしましょう。
- 熱傷部分にさわらないようにしましょう。
- アロエをぬるなどの民間療法は止めましょう。
- 市販されている冷却用シートは、熱傷には使えません。
- 熱湯などをかぶった場合には、服の上からでも流水で冷やしましょう。
■冷やすことのメリット
- 冷やすことで皮膚深部への熱の伝達を防ぎます。
- 冷やすと痛みも和らぎやすくなります。
■冷やす方法
- 流水や氷などを利用して冷やします。
- 熱いお風呂に落ちたなど、服を着たままの熱傷の場合には、服の上から冷やします。
- 最低20〜30分間以上、痛みがなくなるのを目途に冷やしましょう。
*市販されている冷えるシートは、熱傷の冷却用には使えません。
■救急車を呼ぶ必要はある?
- 水疱ができたり皮がむけたりした部分が広範囲におよぶ熱傷では、専門医療が可能な医療機関に搬送してもらう必要があります。
- 火事で熱い空気の中にいたことによる気道や目の熱傷、爆発などによる顔面・気道の熱傷、化学薬品による熱傷なども救急車を呼ぶ方がよいでしょう。
【初診】火傷の病院は皮膚科へ。外科や内科ではありません
火傷から半日後の翌朝、息子を病院に連れて行きました。
何科を受診すべきなのか迷ったのですが、一般的に火傷は「皮膚科」です。迷った場合は、事前に病院に電話で問い合わせをするか、#8000に電話をして相談すると良いかと思います。
- #8000 – 小児救急電話相談(厚生労働省)
初診は、嫁さんが息子を病院に連れて行ってくれました。
火傷は、計3か所。
親指、人差し指、中指です。
火傷の程度は大きく3段階あり、それは火傷直後では判断しずらいそうで、1日以上経つとはっきりわかるそうです。
- 【I度熱傷】赤くなり、痛い。数日で治る。
- 【浅達性II度熱傷】赤くなり、水疱(水ぶくれ)ができ、痛い。
水疱は圧迫で発赤(赤み)が消失- 【深達性II度熱傷】赤くなったり、紫色~白くなり、水疱(水ぶくれ)ができ、痛くない。
水疱は圧迫しても発赤(赤み)が消えない。- 【III度熱傷】黒色、褐色または白色。水疱(水ぶくれ)はできず、痛くない。
日本皮膚科学会 – やけどはどうしたら早く治りますか?どんな治療法がありますか?
3種類の塗り薬が処方され、それらを順に重ね塗りするよう言われました。
- エキザルベ – 皮膚の炎症を抑える薬
- バラマイシン – 細菌による感染症の治療に用いる薬
- アズノーツ – 炎症を抑える薬
【通院】中程度の火傷と判明。水ぶくれがつぶれ、処置の方法などを指導
火傷から4日後、再診は僕が息子と病院へ行きました。
中指にできていた水ぶくれがつぶれていたので、その部分の処置をすることに。具体的には皮をきれいに切り取るのですが、息子が不安を察知し拒否! 僕のひざの上に乗せてぎゅっと抱きしめながら、看護婦さんに抑えてもらって処置をしてもらいました。
ほんの30秒ほどでしたが、怖かったみたいでちょっと辛そうでした。
僕 「もう、大したことは無いんですかね?」
医師「軽傷ではないですよ。中程度の火傷です(II度熱傷)」
僕 「自宅では、マキロンなどで消毒してから薬を塗った方が良いですか?」
医師「マキロンはしなくていい。石鹸でしっかり手を洗ってください」
僕 「ええっ、良いんですか?
医師「石鹸での手洗いが消毒です」
また、先生曰く、関節部分に火傷をしなかったのは不幸中の幸いだったとのことです。なぜなら、関節部分だと曲げ伸ばしがあり治りが遅くなるのと、治ってくるときに皮がひきつった感じになるからだそうです。
ちなみに、今回から塗り薬はひとつ減り、バラマイシンとアズノールの2種になりました。
- バラマイシン – 細菌による感染症の治療に用いる薬
- アズノーツ – 炎症を抑える薬
最後に
火傷をしたのは利き手の「右手」なのですが、息子は器用に左手でフォークやスプーンを使っていて、なんとも順応性があるなと感心しました。
また、息子は自分自身が火傷をして治療中であることもしっかりと認識しているので、薬を塗って、包帯を巻く自宅での処置も嫌がらずにさせてくれます。
そんな健気な息子のようすを見て、「ほんまゴメンな……」と改めて猛省しています。子供の火傷は、親や保護者の責任です。皆さんも怪我をしてから後悔しないよう、くれぐれもご用心ください。