子供に食事を与えず衰弱死、泣き止まない赤ちゃんを強く揺さぶって脳に損傷など、我が子を死に追いやるショッキングなニュースがたびたび話題になります。近年、年間50人以上もの乳幼児が児童虐待により死亡しており(親子心中は除く)、死に至らないものも含めて虐待問題は大きな社会問題となっています。
そこで厚生労働省は児童虐待を未然に防ぐため、新ダイヤル「189(いちはやく)」を、2015年(平成27年)7月1日よりはじめます。
新ダイヤル「189」
“これまで、児童相談所全国共通ダイヤルは10桁の番号(0570-064-000)でしたが、覚えやすい3桁の番号にして、子どもたちや保護者のSOSの声をいちはやくキャッチするため、平成27年7月1日(水)から「189」(いちはやく)という3桁の番号になります。
厚生労働省ウェブサイト より引用”
189は、どんなときに電話を掛ければいいの?
新ダイヤル「189」は、正式名称「児童相談所全国共通ダイヤル」。
電話をかけると、音声ガイダンスに沿って、最寄りの児童相談所へ「相談」「通告(通報)」ができる仕組みです。利用料は無料(通話料金は掛かります)。
警察ではないので、通報者の氏名・住所を訊ねられることはありません。近所の児童虐待を知ってしまった際などに、電話すると良いでしょう。
また、「子育てが辛くてつい子供にあたってしまう……」といった、自分が虐待してしまうことに関しての相談も可能です。その際も匿名でおこなうことができるので、不安があれば気軽に相談することができます。
虐待の定義や種類
厚生労働省では、児童虐待を以下の4種類に分類しています。
1. 身体的虐待
殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束する、など。
*相談件数の割合 - 24,245件(32.9%)/ 2013年
2. 性的虐待
子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にする、など。
*相談件数の割合 - 19,627件(26.6%)/ 2013年
3. ネグレクト
家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない、など。
*相談件数の割合 - 1,582(2.1%)/ 2013年
4. 心理的虐待
言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう(ドメスティック・バイオレンス:DV)、きょうだいに虐待行為を行う、など。
*相談件数の割合 - 28,348件(38.4%)/ 2013年
私事ですが、以前警察へ通報したことがあります。
1年ほど前、仕事帰りに夜道を歩いていたら赤ちゃんの泣き声が聞こえてきました。
「この辺りに、赤ちゃんがいる家庭があるんだなぁ」と微笑ましい気持ちで歩いていたのですが、室内からにしては、えらく大きく泣き声が響き渡っていたので、僕はその声の元を探して近づいて行きました。
すると、まだ寒い日に薄着でベランダにほおり出されていた子供の姿が!
1歳半頃でしょうか。僕は、慌ててその家のチャイムを鳴らしましたが、音沙汰なし。室内から灯りが漏れていたので、留守ではなさそうです。
もしかして虐待?
親が突然倒れてしまった?
何か事件?
様々な不安がよぎり、僕は警察へ電話をしました。
警察が到着後、その子は無事保護されたのですが、その後の顛末はわかりません。そして僕は通報者として、氏名、年齢、その時の様子を訊ねられました。
当時、僕の頭には「児童相談所へ電話」という選択肢はなかったので警察に電話をしましたが、もし通報者の情報が知られたくないのであれば、児童相談所へ電話をした方が良いかもしれません(警察にも匿名を希望できたかも知れませんが)。
他人のことでも、自分のことでも、虐待のことなら189(いちはやく)へ相談
迷っているうちに手遅れにならないよう、気がかりなことがあれば、ぜひお電話を。
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