男の僕から見ても、かっこいいな!すごいな!と、心打たれる男性がいます。
パパやるでは、これまで何人かの「かっこいい父親」「すごい父親」をご紹介しましたが、今回は初めての外国人パパ。毎日新聞で報じられていた、日本在住の26歳のベトナム人男性をご紹介します。
妻子をベトナムに残し、単身日本へ
宇都宮市在住のベトナム人留学生、レ・タン・チュンさん(26)が今月2日未明、入水自殺を図ろうとした40代の女性を、川に飛び込んで救助した。
(中略)
レさんによると、2日午前1時すぎ、同市中心部にある自宅アパートで寝ていたところ、外から女性の叫び声が聞こえたという。窓を開けて外を見ると、近くを流れる田川に入ろうとする女性の姿が目に入った。
「自殺するつもりではないか」。そう直感し、すぐに同室のベトナム人男性を起こし、救助に向かった。無我夢中で川へ入り、ずぶぬれになりながら興奮気味の女性を落ち着かせた。何とか岸へと連れ戻し、自殺を思いとどまらせたという。
鳥肌が立つほど、驚きました。
想像してみてください。
あなたが海外にいて、深夜1時に窓の外から悲鳴が聞こえてくる。窓を開けると川に人の姿。家を飛び出し、真っ暗闇の中、水に飛び込み助けに行く……と。
深夜の悲鳴なんて只事ではありません。何か事件かもしれませんし、自分も巻き込まれるかもしれません。事件ではなく「自殺じゃないか!?」と判断したとしても、死にたがっている人を真っ暗闇の川に中に助けに行けるでしょうか。自分まで引き込まれてしまうかもしれないですよね。
しかも、ここは自分の国ではなく海外です。
とっさにこうした判断と行動ができる、26歳のレ・タン・チュンさんに驚きました。
でも、それだけではありません。レ・タン・チュンさんには家族がいるのです。母国ベトナムに奥さんとお子さんを残しています。今、海外で自分が死ぬわけにはいかないじゃ無いですか。そんな損得勘定抜きに、目の前の命を救うために素早い行動するなんて、なかなかできるものではありません。
とても立派な方だと思いました。
レ・タン・チュンさんのアルバイト先、栃木県宇都宮市にある中古タイヤ販売・アルミホイール買取の「アップライジング」さんも、彼の勇気ある行動を讃えています。
ベトナム人の気質。今が大切!
愛知商工連盟協同組合のウェブサイトに、「ベトナム人と上手く仕事をするための8つのポイント」という記事が掲載されています(【追記】サイトが閉鎖になりました)。
記事内では、ベトナム人の気質として「器用」「向上心・向学心」などが上げられて、「近視眼的」という特徴も書かれています。近視眼的とは、たとえば「明日の100万円より、今日の100円が大事」など、目の前のことを重要視する気質のことです。
ベトナムは約30年間も戦争を続け、「生きるか死ぬか」の生活を毎日続けてきたから、こうした気質が身についたのではないか、と記事では解説しています。
レ・タン・チュンさんの勇敢な行動は、まさに『今』を最優先した結果です。実にベトナム人らしいと言えるのかも知れませんね。
日本人も学ぶべきことがありそうです。