妻が、ずっとイライラして夫にあたる。
妻が、子どもにもすぐ怒鳴る。
何を言っても、何をしても、ずっと機嫌がわるい。なんだか腫れ物を触るみたいで訳がわかんないし、こっちだってキレそうだよ!
そんなときは、月経前症候群(PMS)を疑ってみてください。
女性は月経(生理)でホルモンバランスが変動します。それに伴って、身体と心に大きな支障がでることがあるのです。男性は、あまり聞きなれないですよね。でも、女性と一緒に暮らす場合、これを知っているのと知らないのとでは、大きな違いがあります。
雑誌「かぞくのじかん Vol.43 春 2018年3月号」に、女性の月経前症候群(PMS)についての記事がありました。今回はそれで学んだ上で、男性が知っておきたい女性の生理と、男性ができる月経前症候群対策を考えます。
生理3〜10日前にイライラ、頭痛など。月経前症候群(PMS)とは?
月経(げっけい)、いわゆる生理がある女性の70〜80%は、月経により肉体的・精神的になんらかの症状が起きるそうです。それを月経前症候群(PMS)といいます。
月経前症候群の肉体的な症状としては、下腹部が張ったり、腹痛、腰痛、頭痛などがあり、精神的には、イライラしたり、怒りっぽくなったり、憂鬱になったりします。程度に個人差はありますが、5.4%の方は生活が困難になるほどの症状を伴うそうです。
月経前症候群が起きる原因は、ホルモンバランスの変化です。月経は正常な場合、25〜38日周期で繰り返し、排卵後にプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が多くなり、それが月経前症候群(PMS)を引き起こしています。
月経前症候群がおきる時期は、月経の3〜10日前です。
月経前症候群(PMS)は、薬で治るの?
「そんなに辛いのなら、薬飲めば良いんじゃないの? CMもやってるよね。生理痛がどうとか」と、考える男性もいるでしょう。
でも、月経前症候群は病気ではないので、あくまでも対処療法しかないようです。
たとえば、頭痛になったら鎮痛剤、便秘・下痢になったら整腸剤、むくんだら利尿剤。また、精神的な症状が重いときは、メンタル系のクリニックを受診して抗うつ薬を処方してもらうこともあるそうです。大変……。
それ以外には、そもそも生理が来ないように、ピルで排卵を抑えるという根本的な方法もあります。ただしこれは、いま妊娠を望んでいない方限定になり、またピルによる副作用のリスクもあります。
このように、月経前症候群は薬飲めばケロッと治るようなものではないのです。
夫ができる、妻の月経前症候群(PMS)対策
さて次は、月経前症候群の症状を理解した上で、男性ができることを考えてみました。ポイントは3つです。
【1】妻の月経の周期を知る
まず、妻の月経の周期を知らないと始まりません。終始イライラして訳がわからないと、「一体、何に怒っているんだ? 俺が何かしたのか!」と、こちらもキレてしまうかも知れませんよね。
でも、生理前であることがわかれば、「もしかしたら月経前症候群かな?」と冷静に考えることができ、逆に思いやることができます。
そのため、まずは妻に月経の周期を共有してもらうようにしましょう。面と向かって言いにくいことなので、予定日をカレンダーに印をつけておくとか、クラウド型のカレンダーで夫婦の共有カレンダーを持つようにすると良いでしょう。
*《復習》月経前症候群がおきる時期は、月経の3〜10日前です。
【2】家事、育児を率先して行う
心身ともに辛いときに、家事をしたり、子どもの世話をするのは大変でしょう。月経前症候群の症状があると感じたときは、いつも以上に率先して家事・育児を行いましょう。このとき、もったいぶってやるより、黙ってササッとやっちゃえば良いと思います。
また、会話ができる状況であれば「何か他にやったほうが良いことある?」と聞いてみたり、仕事帰りであれば「何か買って帰ろうか?」とメッセージを入れてみたりするのも良いでしょう。
【3】妻を休ませる
当然のことですが、奥さんの身体をいたわってあげましょう。このときばかりは、ゴロゴロ、だらだらしていても問題なし。自分も辛いときは、そうしたいですよね。思いやりを持って、奥さんを休ませてあげてください。
子どもが話せる年齢であれば、「今日はお母さんしんどいの。ちょっと休めばよくなるから、今は優しくしてあげようね」とお話してあげるといいですね。
月経(生理)のしくみ
最後に、「そもそも生理ってなんやねん!」と、実はよくわかっていない男性のために、生理のしくみを解説します。生理って意外とよく知らない男性は多いのではないでしょうか? かつて学校の保健体育では、一部の授業は男女別で、女子の生理に関しては男子生徒に教えないよう秘密にされていましたもんね。
月経(生理)のしくみについては、ユニチャームのYouTubeチャンネルでわかりやすく解説されています。5分でわかる簡単な内容なので、ぜひ見てみてください。
要点は、以下のとおり。
- 生理とは、将来赤ちゃんを産むための準備
- 赤ちゃんを育てる子宮に、赤ちゃんのお布団を作る
- そのお布団が使われなかったときに外に出して、また新しく準備をする
- それを生理(月経)と言う
- 赤ちゃんのお布団とは?
- 子宮の内側にある子宮内膜を厚くしたり、栄養として大事な血液を蓄えたりします
- 生理がはじまるのは10〜15歳くらいから
- 生理が終わるのは50歳頃
- その間、約1か月のリズム(周期)で起こる
- 経血(月経で排出される血液)は、4〜7日にわたって出てくる
- とくに2日目の量が一番多いと言われている
- 経血がでる期間を、生理期間と言う
要は、「卵子は、精子と出会って受精卵になったら、子宮の内側に敷かれているお布団に寝る(着床)。もし受精卵が来ないときは、毎月1回、新しいお布団に敷き直す」と言うことです。
以上、今回は月経前症候群について、男性が知っておきたい話でした。
これを読んだ女性の方は、他にも「夫にはこんなことをして欲しいな」なんてことがあれば、SNSのリプライやコメント欄でぜひ教えてくださいね。記事に追記させていただきます!